断熱リフォーム すきま風が入る

断熱リフォーム すきま風

ドアや窓を閉めきっていても、どこからか入り込んでくる冬場のすきま風は不快なだけでなく、暖房の効きも悪くなるため省エネにつながりません。

従来の住宅は断熱性・気密性が低く、冬場になると窓や玄関などの開口部をはじめ、床下、天井、壁からすきま風が入り込んできます。高断熱高気密住宅でも断熱施工が不十分だと、窓やサッシのすき間、コンセントやスイッチからすきま風が入ります。

すきま風を防ぐためには、断熱だけでなく住宅全体の空気の流れや気密性を考えることも必要です。

住宅全体の空気の流れ

住宅の熱の流れ すきま風

2003年に制定されたシックハウス法により、原則としてすべての家に換気が義務付けられました。最近の住宅では、住宅全体の空気の流れを考え、適切な換気ができるように設計されています。湿度を調節してカビや建物の劣化を防ぎ、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドやVOCなどの化学物質を放出するためにも、住宅内部や床下、天井裏の空気はある程度流動させる必要があります。特に高断熱高気密住宅では空気の流動が起こりにくく、強制的に換気させることで室内の空気を入れ替えています。

しかし、室内の換気は部屋の温度を上下させずに行う必要があります。すきま風は一種の換気システムですが、人為的に調整することができないため、冬場は室内の温度が下がり、暖房の効きが悪くなります。

天井や壁のすきま風

天井や壁からすきま風が入り込む場合は、すき間をパテやシーリング材で埋めてしまうという方法があります。しかし、住宅全体の断熱性・気密性が低いという根本原因はそのまま残るので、光熱費の削減や省エネにはつながりません。また、壁内部に断熱材が入っていても気密処理が悪い場合は、床下から冷たい空気が流れ込み、すきま風の原因となります。

天井や壁からすきま風が入り込む住宅は、全体の断熱性能が低いということです。このような住宅に住んでも、健康で快適な生活は望めず、ヒートショックも発生しやすくなります。住宅の断熱をトータルで考えながらすきま風の原因を絞り込み、必要な場所に断熱施工する必要があります。

屋根の断熱 軒下のすき間

屋根と壁の境目にある軒下はすき間が生じやすく、ここから空気が入り込むとすきま風の原因になります。軒下は断熱処理と気流止めの両方が必要ですが、現場発泡系断熱材のアイシネンなら、一度吹き付けるだけでどちらも処理することができます。

床下のすきま風

床下の断熱

床下から冷たい空気が入り込むと、部屋がなかなか暖まらず底冷えのもとになります。冷たい空気の侵入を防ぐためには、床下の断熱施工だけでなく気流止めの施工も必要です。通常は床下の根太と、壁や間仕切りの間にすき間ができるので、それを塞ぐための気流止めを作ります。

劣化した床下の断熱材

また、床下の断熱材は経年劣化や家具などの重みですき間が生じ、そこからすきま風が入り込む場合もあります。床下からのすきま風が気になる場合は、一度床下に潜って断熱材や気流止めを点検する必要があります。

窓や玄関のすきま風

断熱処理済みの窓

以前の窓や玄関は断熱性が低く、レールや枠からすきま風が入り込むので、住宅全体の熱損失の大きな要因になっていましたが、最近は複層ガラスやプラスチック製の窓枠が登場して断熱性が向上しています。また、最近は玄関の種類も豊富になり、高い気密性を持つ木製の引戸も登場しています。

窓や玄関から入り込むすきま風は、気密性の高いものに取り替えるだけで防ぐことができます。しかし、いくら窓や玄関の断熱性能が向上しても、取り付け部分の断熱処理が不十分だと、そこからすきま風が入り込むので断熱性能は低下します。窓や玄関は枠の部分まできちんと断熱処理をして、取り付け部分のすき間も防ぐことが大切です。

コンセントやスイッチのすきま風

断熱チェックポイント コンセントの断熱処理

すきま風の原因で多いものの1つとして、コンセントやスイッチが挙げられます。

コンセントのすき間を防ぐためには、コンセント部分に気密ボックスを用いて、周囲の気密シートとコンセントボックスを気密テープで固定する必要があります。しかし、配管などの処理が複雑で、現場のレベルが低いと断熱処理が不十分になります。高断熱高気密住宅では、その高い気密性ゆえにわずかなすき間でも冷気が入り込みます。これがコンセントからのすきま風の原因となります。

後からすき間をコーキングしても、コンセントの差込口まで塞ぐことはできないので、すきま風の根本的な解決にはなりません。

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