太陽からの日射は屋根の温度を上昇させ、真夏の屋根は強い日射のため60度以上にも達します。屋根や天井の断熱が不十分な住宅は、焼けこんだ屋根から伝わる輻射熱のため、2階に上がるとサウナのように暑くなります。
また、輻射熱によって建物全体に熱が蓄積するため、夜になっても室内の温度はなかなか下がりません。屋根からの輻射熱を防ぐためには、屋根や天井に断熱材を施工して、熱の原因を元から遮断することが必要です。
天井断熱施工例
屋根の断熱には天井断熱と屋根断熱の2種類があり、通常は天井に断熱材を敷いて室内に屋根裏の熱が伝わらないようにする天井断熱が採用されています。
一般的な天井断熱として、仕上げ天井ボードの上に断熱材を敷き詰める方法です。グラスウールやロックウールをすき間なく敷き詰めるだけで断熱することができます。また、セルロースファイバーなどの断熱材を吹き込む方法も用いられます。
天井の断熱は、天井と間仕切り壁のすき間をきちんと塞いで、壁内部の気流対策を行うことが重要です。しかし、高断熱高気密住宅でも天井の断熱は不十分な場合が多く、間仕切り壁の取合い部分に気流止めを作ったり、すき間を気密テープで塞ぐという対策が必要です。
天井断熱とは
天井断熱には、一般的にグラスウールやロックウールがよく使われており、天井に敷き詰めるだけで断熱できるので手間もかかりません。また、最近は天井にセルロースファイバーなどの断熱材を吹き込む方法も用いられます。
天井断熱は天井の面積分だけ断熱施工するので、手間がかからず経済的です。断熱材を厚くすれば、さらに断熱性能を高めることも可能です。しかし、天井断熱では小屋裏に熱がこもるため、換気口を設置して夏場の排熱対策を行うことが重要です。
天井断熱の進化版 桁上断熱
最近は天井断熱をさらに進化させた桁上断熱という断熱工法もあります。天井断熱は手間がかからず経済的というメリットの反面、天井と壁、間仕切りの取合い部分にすき間ができるので、壁の中に気流が発生して十分な断熱効果が得られないという欠点がありました。
桁上断熱は、仕上げ天井と桁や横梁の間に空間を設けて、その上に断熱材を施工する工法です。桁上断熱は間仕切りの上に断熱材を施工するので、気流止めが不要になります。また、天井上部も室内と同じ環境なので、配管や配線による断熱欠損もほとんどありません。
屋根断熱とは
屋根の断熱は屋根の外側に施工する方法と、内側から施工する方法があります。屋根断熱は小屋裏も室内と同じ環境なので、開放感のある設計が可能になります。天井に吹き抜けのような空間を作ったり、屋根裏の空間をロフトや収納スペースとして活用することができます。
屋根断熱は傾斜した屋根に断熱材を施工するので、足場の確保が必要です。また、外側からの施工は断熱材が垂木の外側になるので、断熱材を厚くすることが難しく、防水対策も必要です。外部の作業なので天候に左右されるため、工期も余分にかかります。その反面、すき間や熱橋が生じにくいというメリットもあります。
内側からの施工は、作業が天候に左右されず、防水対策も不要なので使える断熱材の種類は制約がありません。しかし、垂木の間に断熱材を入れるためすき間が生じやすく、熱橋による断熱欠損も発生します。