窓の断熱は、複層ガラスや真空ガラスなどを採用して断熱性能や省エネ性を高めた窓に交換することが一番の近道です。
従来の住宅で使われていた窓は断熱性能の低いものが多く、住宅全体の熱損失の大きな要因になっていましたが、最近は高い断熱性を持つガラスや、熱伝導率の低い樹脂製、木製の窓枠も登場して、昔と比べて窓の断熱性能が大きく向上しています。
2013年に施行された次世代省エネルギー基準では、地域ごとに違う気象条件や気温を考慮して、日本全国を8地域に分けて評価基準を設定しています。寒冷地から温暖な地域まで、それぞれの基準に合った断熱性能を持つ窓を選べばよいでしょう。
また、窓の断熱は取り付け部分のすき間を塞ぐことも重要です。高い断熱性能を持つ窓に交換しても、取り付け部分からすきま風が入るようでは意味がありません。
高い断熱性 窓ガラスの種類
複層ガラスは外部と内部の間に空気層を持ち、窓面の結露や冷気流を抑えることができます。さらに高い断熱性を持つトリプルガラスは、断熱性能が複層ガラスの約1.7倍なので、結露の可能性がさらに低くなります。また、空気より熱伝導率が小さいアルゴンガスを封入して断熱性能を高めたガス入複層ガラスもあります。
複層ガラス
外側のガラスと内側のガラス間に乾燥空気が封入され、内側ガラス面の結露や冷気を抑えることができます。寒冷地では断熱性能が不足するため、室内の湿度によっては結露する場合があります。
トリプルガラス
トリプルガラスは3枚のガラスと2層の空気層を持ち、さらに断熱性能を高めたガラスです。複層ガラスと比較した断熱性能は1.7倍となり、結露もほとんど発生しません。窓の断熱性能を示す「省エネ建材等級」において、最高等級を取得しています。
LOW-Eガラス
LOW-Eガラスは遮熱タイプと断熱タイプの2種類があり、どちらもガラス面に太陽光を遮断する金属フィルムが薄くコーティングしてあります。遮熱タイプは太陽光を遮断して熱の侵入を抑え、紫外線もカットします。断熱タイプは太陽光を取り込み、暖房熱を窓から逃しません。
ガス入複層ガラス
複層ガラスの空気層に気体の断熱材と言われるアルゴンガスを封入しています。アルゴンガスは乾燥空気と比べて熱伝導率が低く、窓の熱貫流率を小さくしています。
真空ガラス
ガラス間に真空層を持ち、高い断熱性能を実現しています。外部と内部のガラス間にある真空層では熱伝導も対流も起こらないため、複層ガラスと比べて2倍の断熱性能を持ちながら、厚みは従来のガラスとほぼ同様で、既存の窓でも交換が容易です。