室内は断熱施工されているにもかかわらず、ユニットバスや浴室まわりの断熱が不十分という住宅は意外に多いものです。また、配管や排水が集中する浴室の床下に断熱材を入れると手間がかかるため、湿気や結露を理由に床下の断熱施工を省略する工務店もあります。
住宅内の事故で高い割合を占めるのが脱衣場や浴室です。ヒートショックによる健康被害が発生しやすい浴室や脱衣所こそ、しっかりとした断熱施工が必要です。
浴室の断熱施工でヒートショックを防ぐ
浴室が寒い場合に考えられるのが、床下の断熱や気流止めが不十分だということです。いくら壁や天井に断熱材が施工されていても、床下から寒気が入り込めば、あっという間に浴室の温度が下がってしまいます。また、床と壁の取り合い部に気流止めがないと、床下の冷たい空気が壁内に侵入して、浴室内の温度が下がります。こうなると急激な温度変化によるヒートショックが発生しやすくなります。
特に高齢者の方は浴室や脱衣所でのヒートショックによる事故が多いため、浴室や脱衣所の断熱を一体で考えたほうがよいでしょう。
浴室内外の温度を一定に保つには、浴室の基礎断熱が一番効率的です。浴室のリフォームではユニットバスに入れ替えることが多いのですが、ユニットバス設置前に基礎や床下の断熱改修をしておけば、浴室内の暖かさが格段に違います。また、冬場はお湯の温度が下がりにくくなるので、省エネにもつながります。
さらに、浴室内だけでなく、脱衣場や洗面所にも断熱材を入れることで、冬場でもあまり気温の変化が起こらず、事故を減らすことができます。
浴室・脱衣所周りの断熱リフォーム
浴室や脱衣所の断熱は、以下の点がポイントになります。
- 浴室の床下は基礎断熱による施工が望ましい
- 点検用の開口部もすき間なく塞いで、気密化を図る
- 浴室はお湯や水道といった配管が多く、壁と配管の間にすき間が生じやすいので、アイシネンのような現場発泡系の断熱材ですき間を塞ぐ
